眠るシエラにカーティスはあきれた表情を浮かべる。
暗殺者にあるまじき無防備さ。
本当に殺してしまおうか。
ナイフを手にして考えていると目覚める気配がする。
「ん、……エル」
一瞬目覚めて再び眠りに落ちる。
知らない名前に興味を引かれながらもナイフをしまって窓辺に移る。
「今日も暑いですね」
自分の傍で無防備に眠るシエラ。
カーティスはなぜそんなことを許すのかわからないまま外を眺める。
シエラは弱い。
弱すぎて死んでしまうだろう。
ならそのときまでこの気まぐれを続けてもいいかもしれない。
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