―ゴリュッゴリュ
グレイの執務室で乳鉢で何かをすり合わせるカヅキ。
その後姿は…はっきりいってお近づきになりたくない空気をまとっている。
―グシャッグリュッ
先ほどから響く擬音も、なにをどうすり合わせているのかあまり想像したくは無い。
「…あ、グレにーそこにあるにおい消しをとってください」
「ああ」
グレイはカヅキにいわれたままに奇妙なキノコを渡す。
―ゴリュッゴリュッ
カヅキは乳鉢の中身をろ過機いれ液体だけ抽出する。
「これで、完成です」
「…たしかに、無臭だな」
「味もないんです」
カヅキは嬉々として小瓶に液体を移してポケットにしまう。
「はい、ナイトメア」
「ああ……うん、カヅキ珈琲を入れるのがうまくなったな」
「ありがとうございます、お代わりはいりますか?」
「ああ、頼む」
ナイトメアからカップを受け取りカヅキは再びミルを引いてサイフォンにいれる。
ナイトメアの目線がそれた瞬間カップに小瓶の中身を入れることも忘れずに。
「どうぞ、ナイトメア」
「ああ、ありがとう」
カヅキの珈琲は癖になりそうだ。
そんなことをいいながらナイトメアはカヅキの手製の珈琲をカパカパ飲み干していく。
そのカップの中身に吐血を抑える薬が入っているのはまだ内緒。
ゲームは始まった瞬間にはもう勝者は決まっていた。
会合の合間の余興にちょっとした仕事と遊戯。
ナイトメアが最近吐血が少なくなったと気づくころ、ゲームの決着がつくのかもしれない。
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