「ルデねー大好きです」
「わらわもカヅキが大好きだよ」

ビバルディは来るたびにカヅキにお土産といって紅茶やお菓子、ぬいぐるみを渡す。
今日は何かとおもえば花。
しかも赤い薔薇ではなく梅の花。

「すごい!ありがとうございます」

枝ごと渡されてカヅキはうれしそうにビバルディに笑いかける。
カヅキはよく笑う。
というか、微笑んでいる。
年相応の表情もあるが、カヅキはたいてい大人びた印象を携えている。
それが、ビバルディの前では年相応というよりも幼い笑顔を見せる。
子供が親に甘えるように、カヅキはビバルディに甘える。
ビバルディもそれを許し徹底的に甘やかす。

「今日持ってきた梅の花もどこから手に入れてきたのやら。」

ブラッドは自分を無視していちゃつく二人を見ながらため息をつく。
わって入れないのはビバルディの牽制の賜物もあったがそれ以前にカヅキがブラッドに近づくなといったからだ。
理由を聞いてもいってくれない。
イラついて問い詰めようとしたところにビバルディがやってきてカヅキを腕の中にかくまってしまったのだ。
不機嫌そうに紅茶をがぶがぶと飲むブラッドをカヅキとビバルディはこっそり見てくすりと笑う。

「お前が気にすることではないよ」
「でも私が近くに居るからなのですよね」
「あやつが悪い」
「…でも、私が居るせいで稚児趣味の噂が広まるなんて」
「気にすることはない、あやつも楽しんでおるようだしな」
「……ルデねー」
「なんだ?」
「楽しむということは、ブラッドは本当に稚児趣味なのですか?」
「……もしそうだったらすぐに首をはねるとしよう」

女二人に沈黙が降りたころ、話題のブラッドは再びカップに紅茶を注いでいた。

 

 

 

 

 

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