もぐもぐ  ごっくん!?

 


「ぎゃ−−−−!!」

「ナルト!!」

寒空の中、今日もよくナルトの叫び声が響いた

本日の任務、7・8班合同 火影邸の雪かき




「・・・落ちたな(全く・・・・様子でも見て来るか)」

「落ちたわね(独りで抜け駆けなんてさせるものですか!)」

「・・・はぁ(馬鹿ばっかりじゃ)」

上から順にカカシ、紅、火影

子供たちの必死の姿をお茶菓子にのほほん茶中・・・と言うより約二名の間には火花が散っているが・・・

「今日もナルトは元気だな(さすがはわしの孫!)」

「元気すぎですよ(そこがかわいいんだけどね−)」

「見てて飽きないわよねー(うちに欲しいわ)」

子供たちの苦労をものともしない三人はやはり火花を散らしながら笑顔でお茶をのみ続ける




場所を戻して子供たち

「ナルト無事ーーー?」

屋根の上からサクラが声をかけてくる

「ドベが・・・」

サスケもそう言いつつ顔を出す

下では雪に埋もれたナルトがシノの手を借りて這い出しているところだ

ナルトは何とかサクラに手を振るとシノにしがみついて雪の中から体を出す

キン・・・・・ボスッ

ナルトのすぐ横にクナイが刺さった(というか雪に埋もれた)

「・・・何?」

ナルトが顔を上げるとものすごい形相でにらんでいるサスケ

どうやらクナイはサスケが投げつけたらしい

しかし、足場が悪いせいでシノを狙ったつもりがナルトに向かってしまった

とっさにキバが投げた手裏剣にあたって何とか軌道がずれたおかげでナルトに被害はなかったが・・・

「あぶねーな!何イラついてるんだよ優等生」

「フン」

キバににらまれたサスケはそのまま姿を消す

「ナルト〜、あんたそのまました手伝ってなさいよ」

サクラはそういうとサスケを追って姿を消した

内なるサクラが「サスケ君と二人っきりvvしゃー、んなろーー!!」と叫んでいるが気にしないでおこう

「サクラちゃ〜〜ん」

そんなサクラにナルトはまだシノにしがみついたまま情けない声をあげる

シノはナルトを離すとここぞとばかりに抱きしめる

「シノ〜〜!!離せってばよ!!」

ナルトはじたばたとシノの腕の中で暴れてシノから逃げ出す

「大丈夫?」

一番安全(?)そううなヒナタのそばに行くとヒナタが心配そうに聞いてくる

「へーき、へーき」

ナルトは笑って答えるとサクラにいわれたとおりに八班のメンバーと何事もなく(?)雪かきを続けた











「お〜〜〜い、昼飯にするぞ〜〜」

ナルトたちがさすがにバテ始めたころカカシが声をかけた

「わ〜〜いvv飯〜〜〜!!」

ナルトたちはそれぞれ手を止めると火影たちのまつ縁側に向かった

「・・・あっ」

並んで弁当を広げているとヒナタが小さく声をあげた

「どうしたんだってばよ?」

「お弁当、忘れちゃった」

ヒナタは泣きそうになりながらいう

サクラたちも困ったというような顔をしている

「・・・・・ほらやるってばよ」

ナルトは自分の弁当とヒナタを見比べるとおかずを半分以上ヒナタに差し出した

ヒナタは驚いたようにナルトを見る

「おれの弁当半分やるってばよ」

ナルトはそういうと照れたように残りの弁当を食べ始める

「なら私のもあげるわ」

サクラもヒナタにおかずを分ける

つられてほかのメンバーも少しずつヒナタにおかずを分けていく

「ナルト君・・・みんなありがとう」

日向はうれしそうに御礼を言うとおいしそうにお弁当を食べていく

大人三人はそんな子供たちを見て微笑んでいる

約一名嫉妬でヒナタをにらんでいるやつもいるが・・・

「おいしい」

「ほー、ならこれはいらんな」

「え!!??」

全員声に驚いて、声のしたほうに顔を向ける(大人三人はいたことに気がついていたが)

そこにはネジが弁当箱を持ってたっている

どうやらヒナタの忘れた弁当を届にきたらしい

「あの・・・ごめんんさい」

ヒナタがネジに謝るがネジは無視してナルトの前に座る

「ほら、ナルト」

おもむろに弁当箱を開けてナルトに差し出す

「へ?」

「それっぽっちじゃたりないだろう」

ネジは呆然としているナルトの口におかずを持っていく

「口をあける・・・・閉じる・・噛む・・・・・・飲み込む」

わけのわからないままネジのいう通りにする

「口をあける・・・・閉じる・・噛む・・・・・・飲み込む」

淡々とした口調でさえなければそこらへんのバカップルの「あ〜んしてvv」

なんていう食べさせっこなのだが・・・・・・

「なにしてやがる!!」

「食べさせてるんだ」

今まで固まっていたサスケが何とか起動して大声をあげたがネジのあまりにもあっさりした回答に何も言い返せずに口をパクパクさせるしかなくなってしまった

「・・・ネジ・・・」

どうやら意識が戻ってきたナルトが再びおかずを食べさせ始めたネジの手を抑える

「なんだ?」

ネジは至極幸せそうな顔で聞き返す

「・・・妹に嫉妬してどうするんだってばよ」

あきれたようなナルトの言葉にネジはヒナタを横目で見てもう一度ナルトを見る

「大人気なかったか?」

「・・・・・・」

いたってまじめな声で言ってくるネジにもはや何もいえなくなってしまった一同・・・

「ね、ネジはもう昼食べたの?」

「いや」

話題を変えようと思ったナルトだが思いっきり墓穴を掘っていることに気が付いていない

「おまえと食べようと思ってな」

「・・・・バカ」

ナルトは顔を真っ赤にしながらもうれしそうにネジの口にエビフライを持っていく

「あ〜〜ん」

「・・・・・うん、うまい」

当然のように食べさせあい始めた二人に突っ込むような勇気を持ったものはおらず、二人の食事が終わるまで全員その場を動けなかった

その後、なぜかネジも参加して予想以上に早く終わった雪かきの後

なぜかナルトと一緒に帰るネジが目撃された

END

あとがき

ナルト総受けっぽいネジナルとのことでしたが・・・
ネジのおいしいとこどりな話を書いたつもりだったんですが・・・
踏み倒してしまったみたいです(;;)ごめんなさい鮎さん