ネジは見張り大のところで物思いにふけっていた
「今回のペアは・・・・あいつか」
野外授業での組み合わせの書かれた紙を見てネジは眉をひそめる
『うずまき ナルト』学校一の問題児が自分の名前の横にかかれているのだ
足を引っ張ってきそうな相手をもってしまったことを後悔するのではなくどう乗り切るか考える当たりやはり彼は優秀なのだろう
「日向っておまえ?」
振り返れば金髪の子供がいやそうな顔をして自分を見ている
「そうだ・・・おまえはクラスメイトの名前も知らないのか?」
「ん?興味ないから」
ネジのいやみにナルトは答えると面白そうに笑う
「でも、それってばおまえも同じ」
ナルトの何気ない言葉にネジはドキッとする
それが事実であったから
いったナルトは笑うと勝手に歩いていってしまう
「おい」
「何?」
ネジは少し早歩きで追いつくとナルトの前に立って歩みを止める
「何であんなこといった?」
「・・・目、見ればわかるってばよ」
「そうか・・・俺も修行が足りないな」
ネジはため息をつくとナルトといっしょに集合場所に向かった
実際ナルトと組んでネジは予想が外れたことに驚いた
罠の仕掛け方や逃げ方、そのすべてがネジすらも驚くほどうまい
今も罠を仕掛け終えて木の上で休憩しているところだ
「そういえば・・・さっきのそうでもないってばよ」
「さっき?・・・ああ、修行のことか?」
「うん、たぶんおれ以外気づいてない」
ナルトはネジの目をまっすぐ捉えていう
ネジにしても、ナルトにしてもこんなに意思の相通の取れる相手は初めてだった
たいていのものは自分の言いたいことを理解しないかできないのだ
しかし、ナルトはネジの、ネジはナルトの言おうとしていることが不思議とわかるのだ
今回の演習が成功しているのもそのせいかもしれない
「おまえおもしろういな」
ネジは正直な感想をもらす
「感情を読むのは慣れてるから」
ナルトは少し悲しげに笑う
「それはいいことだろ?忍びとして」
「・・・サンキュ」
誉められてナルトは軽く礼を言う
「・・・・来た」
「ああ」
罠を張った近くまで同級生が来ているのを確認して二人は顔を合わせてうなずく
二人は一気に下に降りると仕掛けてあった罠を作動させた
「なにボー――――としてんの?」
視界が暗くなるのと同時にかけられた声に思わず口元で笑う
「少し、昔のことをな・・・・」
「昔?あの演習のこと?」
ナルトが言い当てたことに驚きもせずにうなずく
「ナツカシー」
ナルトはネジの隣に座ってそんな感想を漏らす
「・・・・・何かあったのか?」
ナルトの微妙な感情を読み取ってネジが聞いてくる
「・・・・・狐だってさ、俺」
「な、に?」
「俺の腹には九尾って化けもんがいるんだって」
ナルトは淡々と話す
この言い方はナルトがいいたくないことをいうときの癖だ
「あーあ、ネジはやっぱり化け物嫌いだってばよ?」
「ナルトが好きだ」
ネジはいってナルトにキスをする
「うずまきナルトが好きだ」
抱きしめるとナルトがわずかに震えているのがわかる
どれだけ勇気を出してここにきたのだろうとネジは考える
「信じてたってばよ」
ナルトはそういってネジの背中に手を回す
「あたりまえだ」
ネジはそう答えると抱きしめる腕に力をこめる
「うん」
ナルトは笑ってネジから離れる
名残惜しそうに見詰め合う二人
「絶対に追いつくから」
「ああ」
二人は落ちかけている夕日が完全に消えるまでもう一度抱き合った
END
あとがき
甘いやつ・・・・・というリクでしたが・・・・
ふ、踏み倒してしまった・・・
カスケさんごめんなさいm(__)m