心が枯れる

だからなのだろうか?

すべてのものがあいまいに感じるのは・・・

 

 

硝子の棺

 

 

「ナルトー!」

今日も任務で・・・

「ほ〜ら、いくぞ」

俺はいつものように声を張り上げて

「うるさい、ドベ」

俺は・・・

「ドベっていうなってばよー!!」

なにをしているんだ?

急に心に穴が開いたように何かが零れだす

タスケテ・・・タスケテ・・・

何かが零れ続ける心を

ふさいでくれた人はもういない

死んでしまったから

この里を守って・・・

代わりに来た綱手ばーちゃんは

優しいけど

とても優しいけど

俺の心をふさぐことは出来ない

心が乾いていけばいくほど

うまく笑顔が作れなくなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから俺は・・・

姿を消した・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九尾の森で一人過ごす

森の「住人」たちが「外」の様子を教えてくれる

俺を探しているらしい

でも、まだ心から何かは零れ続けている

『森の子、森の子・・・蟲の王と花の子がきたよ』

『森の子、森の子・・・・・・影の王がきたよ』

『森の子、森の子・・・・・・・・・日の子たちがきたよ』

住人たちがささやく

森が進入を許し俺の存在を知ることが出来た数少ない友人

彼らがいると少しだけ乾いていくのがとまる

彼らは優しい

笑わない俺になにもいわない

いままでのように傍に居てくれる

「全て」を知っても拒絶しないでいてくれる

でも、でも駄目なんだ・・・

もうすぐ全てが零れて枯れてしまう

そうしたら俺は「オレ」になってしまう

全てがあいまいになっていき

この暖かさすら、忘れてしまう・・・

だから・・・・・・

「もう、ここに来ちゃ駄目だってばよ」

「いやよ」

イノが即答するのに苦笑する

「俺がオレになったらきっと皆を悲しませるってばよ」

「どんなナルト君でも、・・・その・・・大切な仲間・・、だよ」

「違うんだってばよヒナタ・・・、仲間とかそういう問題じゃないんだってばよ」

ヒナタの言葉に首を振れば、シノが無言で頭を撫でてくれる

「めんどくせぇな・・・俺らはな、お前が俺らを殺そうと、お前を殺そうといいんだよ」

「!」

「アソコに逝くのが誰であろうとも、最期までお前といたいと皆願ってる」

シカマルとネジの言葉に思わず困惑する

わかっているのだろうか?

オレにのっとられたらきっと今みたいにいれない

必ず傷つくというのに・・・

「駄目だってばよ・・・」

そういって泣く俺に「これは自分たちのわがままだから」といってくれたのは誰だったのか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、心が枯れたそのとき

オレは俺が大切にしていたものを守るために

オレをこの棺に閉じ込めた

もう目覚めることも無い永遠の時間

彼らは再び訪れてくれるだろうか?

並ぶ棺に、彼らが来るのだろうか?

目覚めることの無い夢の中で

彼らに会えるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会いたかったぞ・・・」

「いったでしょ!あんたの傍にいるって!」

「大切な仲間だから」

「・・・いこう」

「ほら、めんどくせぇからとっとといこうぜ」

「先になにがあっても皆がいれば大丈夫だってばね!」














あとがき

リハビリ作品第一弾

ちょっと書き溜めあるのでどんどんアップしていきますw