「明日は朔の日だってばよ・・・」

ナルトが誰もいない空間でぽつりとつぶやいた


















何時ものように集合場所に行く

今日は4班合同

イノは目当ての子供を捜すべく一目散にかけていく

でも、そこで見た光景は

「ななななっなんなのよ〜〜〜!!」

一番乗りだとおもっていたらそこにはもう先客がいて

「ナルト?!」

心配そうなネジとリーに見守られてテンテンの膝枕で眠るナルトの姿

その4人の姿が妙にしっくりきてイノは心の奥がズキンと鳴るのを聞いた

イノに気がついたのかテンテンが口に指を当て静かに、と伝えてくる

妙に居心地の悪い雰囲気にイノはしかめっ面で少し離れて座る

頭の中はもうパニックだった









集合場所に着いたら少しだけ険悪な雰囲気だった

ネジとリーとテンテン、ナルトをみて胸が苦しくなった

入り込めない何かがあるみたいで

少し離れたイノの横に座る

泣きそうな顔をして横を見ればイノも同じなのか複雑な表情

「ねぇ、ナルトどうしたのかな?」

元気いっぱいのあの子のあんな姿なんて見たこと無いから

「どうしちゃったのかな?」

すっごく心配









しばらくしてぞろぞろと下忍が集まってくる

一様にナルトたちの光景に驚いて声を発しようとするがそのたびにテンテンに静かに、と制された

それから少ししてナルトが目を開く

「起きた?」

優しくその髪を撫でてテンテンが問いかければ起き上がってテンテンに耳打ち

「わかったわ」

頷いて今度はテンテンがネジたちに耳打ち

「わかりました」

「わかった」

リーとネジが頷いて下忍たちとその先を見る

ナルトは起きたもののテンテンの横から離れない

少ししてサスケが姿を現した

いつもなら飛びつく勢いでやってくるイノもサクラも来ないことで首をかしげる

見た先には妙な雰囲気の同期と少し向うにネジたちがいた

「どべ、何してやがる」

テンテンの横に座っているのが気に入らないのかそういって気を引こうとする

けれどナルトはまるで聞こえてないかのように無視をする

「おい!聞いてんのかドベ!!」

声を大きくして言うがやはり無視

サスケはイライラとした様子でナルトに近寄る

「ドベが無視すんじゃねぇよ」

わざとらしくバカにしたように言えば何時もなら元気よく返事が返ってくるはず

けれど今のナルトは目の前にいるサスケの存在すらないかのように無視し続ける

「おい!ふざけんな!」

痺れを切らして掴みかかろうとしたが首筋にクナイが当てられ目に千本を向けられ腕を掴まれた

見ればテンテンたちでサスケはイラついた様子を隠すことなく睨む

「邪魔よ」

冷たい声でテンテンが言えばネジとリーがサスケを下忍のいるほうへ投げた

唖然とする8人が黙るのを確認するとナルトは再びテンテンに耳打ちをする

今度は困ったような顔をするテンテンにネジとリーがやってきた担当上忍たちのもとへいく

何事か小声で話すと4人は頷いて8人の元に行く

「今日はフォーマンセルにするぞ〜」

「班はこっちで分けるからな」

「カカシと私のところがヒナタ、シノ、シカマル、サスケ組みでアスマのところがイノ、サクラ、チョウジ、キバ組み」

「俺のところが組みでテンテン、リー、ネジにナルトだ!」

あきらかにわざとであろう班組みに8人は顔をしかめるがあえて無視する上忍たち

それぞれが担当の子供を先導して任務に向かう

今日の任務は火影邸の掃除

各自担当場所に散っていく

残されたガイたちはといえば

「ナルト、大丈夫か?」

「ん・・・ちょっと疲れてる」

「朔の日だから情緒不安定になっているのだろう」

「ん・・・」

他の下忍よりも付き合いの長いネジたちは朔の日にナルトが調子を崩すのを知っている

だから火影に頼んで今日は合同任務にしてもらっているのだ

アカデミー時代にネジがナルトの様子に気がついてネジが卒業してからは朔の日にはナルトは3班にいた

4人ともが今日は重症だ、と眉をしかめる

「ナルト、もう少し寝てたら?」

「でも任務・・・」

「俺たちの担当は火影様の執務室の掃除だから実質することはないぞ」

「ゆっくり休むことも必要だぞ!」

「そうですよ!」

「ん…起きたらちゃんと何時もどおりにする」

「無理すんじゃないよ。いざとなったら班変えでも何でもするから」

どこから現れたのか綱手がナルトを抱えて言う

「ほら、いくよ。あんたらも茶でも飲んでいきな」

とっとと歩いていく綱手に慌ててついていく4人と抱えられたナルト






















数時間後

現地解散となったせいで結局ナルトと会話の出来なかった8人

「ナルトどうしちゃったのかな?」

「具合悪かったのかも・・・」

口々に心配な様子を隠さない

「明日は話せるといいな」

「そうだな」









次の日も同じように火影邸の掃除の任務だったがナルトは何時もどおりだった

それに安心するもの

どこか引っかかりを覚えるもの

彼らの未来はそこですでに選択されてしまったのはまた別な話である












あとがき

こんなのありですよね?(なぜ疑問系
ネジたちならOKっぽいんだもん〜〜(つД`)

なにげに同期8人よりも実は仲良しって設定好きなんですよ〜!!