夢の夢

 





「お父さん?」

ナルトは庭に出ている父親に声をかける

「こっちだよ」

手招きされてしまう

ナルトはどうしたものかと考えるが決心したように素足のまま庭に出てみる

「ほら綺麗だよ・・・・・・・・・・・おやおやしょうがないこだね」

素足のナルトを抱きかかえて困ったような顔をする父親

「お父さん?」

「そうだよ」

「お父さん」

「なんだい?」

「お父さん」

「うん、ここにいるよ」

うれしそうにナルトは父親に抱きつく

その存在を確かめるように強く抱きつく

「夢を見てたんだってばよ」

「ユメ?」

「お父さんもお母さんもいなくって・・・・・・」

「・・・・そう」

「すっごく悲しかったんだってばよ」

「ユメだよ、ナルト」

父親はナルトをしっかりと抱きとめる

「二人とも、私は仲間はずれなの?」

「あ、お母さん」

ナルトの靴を持って縁側でにっこりと母親が微笑む

「ほら、ちゃんと靴履かなくっちゃ」

近づいてナルトに靴を履かせる

「・・・・なんかさ」

「「ん?」」

「なんかすっごく幸せだってばよ」

ナルトは父親に抱き着いて母親の手を握って言う

夢の中の自分はとても寂しくて

一人で寂しくて孤独でつらくていつもなにかに怯えていた

「もうあんな夢見たくないってばよ」

「大丈夫だよ」

「大丈夫よ」

ナルトの頭を優しくなでる

「「夢は夢だから」」

「うん」

































「・・・・・・夢?」

目がさめて自分が泣いていることに気づく

暖かかった

父親がいて、母親がいて、自分がいた

今の自分とはあまりにも違う環境

「どっちが、夢?」

止まらない涙

夢の中で夢だといってくれた両親

でも

「本当はどっちが夢?」

ここには優しく頭をなでてくれる人はいない

抱きしめてくれる腕もない

流れる涙が止まるころにはきっと忘れているだろう

夢のことも

涙を流したことも

自分には必要のないことだから

明るく笑って前でけを見る自分には必要のないことだから




















蝶の夢

自分が蝶の夢を見ているのか?

蝶が自分の夢を見ているのか?

どちらも夢なのか?

本当は、また別のなにかが見ている夢なのだろうか?










END








あとがき

夢落ちな話を書いて見たくて書いてみました
全体的にしんみり系でとうしてみました
どうでしょうか?
「蝶の夢」は有名なお話なのでいつか題材にしたかったもののひとつです