満月の・・・

 




胎の狐が騒ぐのです

「ここからだせ」と騒ぐのです

夜毎、日毎に胎の中で騒ぐのです

どうしてこんな目にあうのでしょう?

私が何をしたというのでしょう?

大人のエゴでどうして私がこんな目にあうのでしょう?

どんなに許しをこうても、どんなに訴えても

私の狐は騒ぐのです











胎のあいつが騒ぐ

力を・・・・・・・もっと力をと

どうして俺だけがこんな目に会わなければいけないのか?

なぜ実の父親に殺されなければいけないのか

愛情を受けていたと思ったのは幻だったのか

所詮、俺は道具でしかないのか

道具・・・・・・・愛情を与えられることなく

いつわりに育てられたおろかな道具なのか・・・・・・・・

胎の中のあいつはまた騒ぎ出す


























なぜこんな目にあわなくてはいけないの?











なぜ俺だけがこんな目にあう?











誰か俺を見て!俺を愛して!











誰か俺を助けてくれ!












助けて!ここから出して!











殺してくれ!この地獄から連れ出してくれ



























はじめて会ったあの時

胎のものがいつもにもまして騒いだ

「お前は誰だってばよ?」

「貴様は誰だ?」

「同じ匂いがするってばよ」

「俺とは違う匂いがする」

「血の匂いだってばよ」

「日向の匂い」

「「・・・・・・気持ち悪い」」

胎のものが内側で騒ぐ

食らい尽くせと騒ぐ

「「気持ち悪い」」

「血の匂い」

「日向の匂い」

「俺にはわからないってばよ」

「俺には分かる」

「親に殺されるのはどんな気分なんだってばよ?」

「親のエゴで利用された子供の気持ち」

「一切の愛を与えられない子供」

「愛というものに利用される俺達」

「「気持ち悪い」」

どうしてこんなにも胎がうずくのか

どうしてこんなにも・・・・・・・・

恐怖・・・・・・・・・・・・

「怖い・・・・」

「なぜこんなにも俺が動揺するのか」

「狐が・・・・・・・狐が騒ぐ」

「・・・・・・やつが、目覚める」

「「気持ち悪い」」





























殺したいと思ったから殺すの?

そんなことで殺していいの?

だったら・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・違う、俺には認めてくれた人がいる

駄目だってばよ!この考えは危険だってばよ

殺したくない!殺せない

いつわりだろうと

それが絆だから












殺してしまえ

感情を開放してしまえ

俺達にはその権利がある

偽りを与えられ育てられ

簡単に捨てられる

作られ俺達・・・・・・・・・

絆なんてものは幻想(まやかし)にすぎない











生きているのは奇跡

どうしてこんなにも悲しいのか

愛してくれた人達がいる

裏切りたくない

裏切るのはいやだ

嫌わないで

俺を嫌わないで











生きているのは俺がそう願ったから

誰を虐げても、踏み台にして

俺は生きる

殺してやる

俺を裏切ったあいつら

殺してやる

・・・・・・・・だれでも、俺にとっては同じだ




























「「気持ち悪い」」

「俺は今を手放したくない」

「今を守る意味などどこにもない」

「生きつづけることは俺にとって存在の意味そのもの」

「最期までおれは生きつづけてやる」

「守る・・・・・・なにがあっても!」

「殺してやる!邪魔するものみんな」

「どんなものでも守ってやるってばよ」

「惑わされるものか、みんな殺してやる」




























同じなのに

違う

同じはずなのに違う

目的は同じはずだった

事実は違ってしまった

完璧な道具

不完全な道具

どうして違ってしまったのか

同じだったら

同じだったら生きていけたのに

唯一の存在として生きていけたのに






























「守るためにあいつを殺す」

「俺が生きていくためにあいつを殺す」

「でも・・・・」

「だが・・・・」

「「・・・・・気持ち悪い」」



























胎の狐が騒ぐのです

殺したくないと騒ぐのです

生きたいと騒ぐのです

気持ち悪い

気持ち悪い

胎の中から食い破る音がする

暴走する意思

与えられた力はその鍵となる

許して・・・・・・・どうか許して・・・・・












胎のものが騒ぐ

力がほしい

あいつがほしい

食らい尽くして手に入れてやる

道具はいずれ壊れる

作り手を裏切って暴走する

・・・・・・気持ち悪い

早く、早くあいつを殺してやりたい



























「今日は狐がうるさいってばよ」

「あいつがうるさい」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「「気持ち悪い」」










END





あとがき

はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
どうしてこうなるかな?
ていうか、私が今血が足りないので・・・・・・・ダークです
寒いです
気持ち悪いです!
そんな気持ちをぶつけてみました