ただ艶やかに

 



「日向の跡目はお前が継ぐのだ」

日向宗主の言葉にハナビはうなずく

毎日毎日修行の繰り返し

姉を超えるため、日向を守っていくため











「・・・・あっ・・・・・」

修行の合間に訪れた河原

いつもどおりに金色に人がいる

「・・・こんにちは」

「よっ!」

金色の人は・・・・ナルトはいつもどおりに片手をあげてハナビを迎える

ハナビはうれしそうにナルトの近づくと横から抱きつく

ナルトはなにも言わずに、ハナビもなにも言わずにただ河の流れを見つめる





「・・・・ばいばい」

「またな」

1時間ほどたっただろうか?

ハナビはナルトから手を離してその場を立ち去った

ナルトはこれから修行をはじめるのだろう

ハナビもまた、宗主のまつ家へと帰って修練を積む











雨・・・・・・・・・・・・

ナルトは雨の中また河の流れを見つめる

「濡れてる・・・・」

ハナビはもってきた傘をナルトに差し出す

「・・・・・・さんきゅ・・・でも、いまさらだってばよ」

にっこりと笑うナルトにハナビも傘をたたんでいつものように抱きつく

「ぬれるってばよ?」

「いいもん」

困ったようなナルトにハナビはちょっとだけ頬を膨らましらがらいう

ナルトは苦笑するといつものようにハナビに腕を回していつもよりも流れの早い河を再び見つめる












「・・・・・どうして?」

いつもよりも早く着たいつもの場所

今日、ハナビはナルトよりも早くきて驚かせるつもりだった

しかし予想外にナルトはもうそこの河原にいた

ナルトの横にハナビのよく知っている人物がいた

「どうして?」

信じられないものを見たような気分がした

ハナビにとってここは唯一の場所であり、癒しの場所であった

そこに自分以外の・・・・しかも

「―――――」

ハナビは泣きそうになるのをこらえてその場から逃げ出した





また雨が降る

(待ってるかな?)

ハナビは窓から外を眺める

いつもいつまでナルトがあそこにいるのか知らない

いつもハナビが後からいって先に帰るのだ

(もう、いないよね・・・・あの人が一緒だったんだし・・・・・雨だし)

昼間のことを思い出して泣きそうになる






「ハナビ!何をしている!立て!!」

「・・・・・は・・い」

修行に身が入らない

体が痛い

ハナビはクナイをかまえなおそうとして体制を立て直す

「・・・・!・・・・・・」

目の前が回る

「ハナビ!」

(・・・姉様・・・・・・・)




「・・・・・・?」

「あ・・・気がついた?」

目の前にヒナタの顔が合った

ハナビは何がおきたのかわからなくて首をかしげる

「倒れたんだよ・・・・・・びっくりした」

ヒナタはハナビの額にタオルをのせると部屋を出ていく

「・・・・・・・今日は、休んだほうがいいよ」

扉の向こうでそういったヒナタにハナビは小さくうなずく



今日も雨

昨日から降り続いてる雨

「・・・・・・いるかな?」

布団の中でナルトを思い出す

名前も知らない金色の人

ただ、黙ってそばにいてくれる人

ハナビはまた泣きそうになった

・・・・・・コツッ

「?」

窓に何かがぶつかる音がして重い身体を引きずって窓を開けてみる

そこには誰もいなかった

ただ、薬ビンと手紙があった



―――がんばれ



ただ一言そうかかれた手紙

誰が書いたのかわからない

それでも

「・・・・うん・・・・・・・」

ハナビにとっては最高の手紙だった











「・・・・・直接言わなくていいてばよ?ヒナタ」

「・・・・・・・・うん」

窓からちょうど隠れる位置

そこに生えている木の上からナルトがヒナタの声をかけた

ちょっとさびしそうに言うヒナタにナルトは苦笑すると木から降りてヒナタの前に立つ

「ハナビってばちゃんとわかるってばよ」

「・・・・・・・・うん」

ナルトはそう言ってヒナタの頭をなでる

「・・・・・・・・ありがとう」

「いいってばよこんくらい」

ナルトはそういって笑うと塀の向こうに姿を消した

「ありがとう」

ヒナタは姿の消えたナルトにもう一度言うと自分も屋敷の中に入った











「こんにちは」

「よっ!」

ハナビは久しぶりに河原を訪れた

そこにはいつものように一人で河を眺めるナルト

ハナビはなにも言わずにいつものようにナルトに抱きつく

そしてまた二人で河の流れを見つめる

「・・・・元気かってばよ?」

「うん、元気」











晴れた日

水面に反射する光はいつもちがくて

毎日その一瞬の輝きに目を奪われる

曇りの日

暗く、いつもよりも深く感じて

飲み込まれそうな河に心を奪われる

雨の日

いつもとは違う波紋を作る音

音に耳を傾けてその音に心を奪われる

雪の日

河にとけていく雪の結晶

凍ることなく流れつづける河に心を奪われる




「艶やかって言うんだってばよ」

いつかナルトが言った言葉

一瞬一瞬が

ただ艶やかにそこにある

惹かれ続けるのはそのせい

目が離せないのはそのせい

同じものはまったくない

すべてものがそのときにだけ存在して散っていく




艶やかに咲き誇る夜の華

その名に恥じぬよう

その名に負けぬように

「ただ、艶やかに・・・・・」






END






あとがき

はい、またやってしまいました・・・・
ハナビって女のこですよね?男の子??
今回はどっちでもいいような感じにしてみました
しかし、なぜに私はドリーマー(イタチの二の舞)
でも!今回ハナビは3コマだ!どうだ参ったか!!イタチ!!(だれにいってんの??)
しかし、ハナビってなぜにネジに似てるの?
髪?髪のせい??だといいな・・・むしろそうあってくれ!!