誰がその血を受けたのか

 




苦しいの

だれか助けて・・・・・・・・

だれか、この苦しみを止めて

だれか・・・・・・・・・・・・・・・助けて・・・・・・・・・・



























「ナルト!」

任務の終了後、カカシは突然倒れたナルトの身体を支えた

今までも何度も倒れたナルト

カカシはそのたびにタイムリミットが近づいてきていることを実感せざるえない

「大丈夫か?ナルト」

「・・・うん、だいじょうぶだってばよカカシ先生」

ナルトはそう言ってカカシから離れるとにっこり笑う

「じゃあまたね、カカシ先生」

「ああ、また明日な」

ナルトはそういって家とは反対方向に走っていく

おそらくシノのところに行くのだろうとカカシは推理する

ナルトは最近ひまさえあればシノと一緒にいたがる

シノでなくとも、誰かと一緒にいたがる

まるで残された時間を惜しむように



























夜、カカシはそっとナルトの様子を見守る

シノの腕の中でナルトは眠っている

今のところは異常はない

そんな様子にほっとしながらもカカシは残された日数を数える

この里に残された時間は少ない

そして、それを知ったとき、ナルトは笑っていったのだ

「大丈夫だってばよ、俺がちゃんとこの里を護るってばよ」

そういったナルトの目は決意にあふれていた

誰もがそれに反対した、しかし、誰も他の方法なんて考えつかなかった

「すまない」

カカシはそういってもう一度ナルトの寝顔を確認する

幼いナルトの寝顔

それは、ずっと昔に死んだ人の面影を残している

「いったいどうしてお前が死ななくちゃいけないんだ?」

その問いに答えてくれる人は誰もいない

カカシは静かに闇の中に身を投じていった


























「おれはここにいるよ」

氷室に入る?といってきたナルトに首を振る

少しだけ寂しそうなナルトの顔に苦笑してカカシは壁に背を預けた

「・・・・・・・・」

中での会話が聞こえてくる

そして、しばらくの沈黙のあとヒナタの叫び声が聞こえてきた

「・・・・・・・・・・・っ」

カカシはなにもできない自分を呪った

あの時、ナルトを止めることができなかった自分を呪った

「・・・・・先生、すみません」

昔、ナルトを頼むといった男に頭をたれる

風がカカシの横を掠めていった










o be continued





あとがき

カカシです!やっと登場です!
次回はいよいよどうしてナルトが死ななければいけなかったのかが分かります
このシリーズ、全員の心情を書く予定でしたが・・・・・・・・挫折しました
次回の火影とその次の完結編で終わりだと思います(たぶん)