空のすべての

 



空までも悲しんでいるかのような

そんな天気

丘の上の大きな木の下

ナルトのための小さな棺が横たえる

触ればぬくもりを感じそうなのに実際は冷たい肌

ナルトはもう笑わない

声を出さない

その目を開くこともない

真っ白な花に囲まれて

真っ白な棺衣に包まれて

ナルトはただ、眠りについている





















「どうして?」

サクラはすがりつくように叫ぶ

それはどうしようもなかったこと

ナルトが選んだたったひとつの道

「サクラ」

そっとサスケがその身体を棺から離す

「ぅ・・・ぅわぁ〜〜〜〜〜〜〜!!」

今度はサスケにしがみついてサクラはなにも出来なかった自分を責める

涙を流せるものはいい

涙すらかれてしまった老人が思う

ナルトを犠牲にしてまで守るべきものだったのだろうか?

本当に守りたかったのはなんだったのか・・・・

ヒナタの歌声があたりを包む

涙を流して歌う姿はひどく美しく、壊れそうに脆い

「聞こえてる?この歌声が」

手にした灯篭をナルトにかざす

目をあけそうなのに絶対に目を開けることのないナルト

「いの」

シカマルがそんないのを見てまた、知らず涙を流す

気がついてすらやれなかった

なにも言えないネジ

気がついていた

それでも、止められなかった

シノはなにも言わずにナルトの冷たい手を握り締める

脈打つことのない鼓動

横にある深い穴に目を落とす

あまりにも深く掘られた穴

キバはナルトの眠りをじゃまされたくなかった

いまで散々妨げられてきた安眠

今度こそ守らないといけなかった

棺にかけられる真っ白な棺衣

所々に点々とする涙のしみ

リーもテンテンもなにも言えずにそのしみを広げる

惹かれていたまっすぐなナルトの光に






















里に灯る燐光

触れれば消えてしまうようなそれ

ナルトの周りを囲んでいく

氷の氷室からの風はひどく冷たい

棺を穴にそっと落とす

紅の振るえる手を補うようにアスマはしっかりとロープを握る

震える手を叱咤して慎重におろす

小さい棺は軽すぎて二人はまた、悲しみに眉を寄せる

土を被せてすっかり見えなくなったナルトの棺

カカシは最後の土を被せてナルトの棺を完全に隠す

大樹はナルトの棺を覆い隠すように根を伸ばしていった

もう誰も泣いてはいない

ただ祈っていた

ナルトの望んだものが叶うように

生きる事を捨ててまで祈った願いが叶うように






o be continued







あとがき

それぞれの心情一歩手前・・・・・
・・・・・・・・ごめんなさい!あまりの暗さに管理人引きました!自分で
でも、難しいですね・・・・
ちょっとそれぞれのパートが短くなっていくと思います

愛の量ではなくて書きやすさです!!