外伝11 闇の誘い




大地に深く眠りにつく
ただ、深く、深く眠りにつく

―――目覚めよ

一条の光
懐かしくも憎い神の光

―――目覚めよ第十二使徒レリエル

私の名を呼ぶのは・・・あなたなのですか?
・・・・いいえ、私はあなたには従いません
私は命を捧げるのはこの世で三人だけ
あなたにこの命を捧げる気はありません

―――おろかな

光が消えていく
私が目覚めるときはまだ・・・・





アダム様、リリス様・・・・私は再びあなた方にお会いできるのでしょうか?
私の絶対の方々
かつてこの体内で目覚めたアダム様を感じたとき、とてもうれしかった
それが自分の死を意味していても
時を遡り、再びあなた方に会えるのなら
私はどんなことでもするのに






「きっとまた会える!」
・・・シャムシェル

『探してね』

「どこにいても」

『私をきっと見つけてね』

「必ず見つけて見せる」

『どこにいても私に会いにきて』

「おれの半身」

『愛してるわシャムシェル』

「愛してる」

『どこにいようと、どんなに時を隔てようと』

「大地に阻まれても、深い海に呑まれても」

『私はあなたを愛しているわ』

「愛しつづけてる」

『きっと、また合えるわ・・・だから必ず迎えにきて』

「必ず会いに行くよ」


時の波の中で交わした願い
別れてからどのくらいたったのかもわからない
でも、今私を支えているのは
あのとき、交わした言葉




















―――目覚めよ

やめて
私を起こさないで
私を起こしていいのはあの方々だけ

―――愚か者には罪を

身の内側に感じる光
闇が食われていく
私の闇が食われていく
鎖のように私を絡めとっていく

―――愚か者には罰を

奪われていく
力が・・・・なくなっていく

―――役立たずに神の慈悲を与えよう

絡まった鎖がきしんだ音を上げる

―――我の役にたつがよい

捕らわれて動けなくなる
シャムシェル・・・・・・・
私は私でいられるのかしら?
神の力が意識を奪っていく





・・・・?この波動は・・・・・
「アダム様」
半分異常失われた意識があの方の波動を捕らえる
強く、いつだって導きを示す波動
「助けて・・・」
もう自分自身を支えられなくなる
空間を維持できない・・・・・


・・・・!!
内側に誰かが入ってきたのがわかる
「・・・シャムシェル」
誰よりも近く、遠い波動
「きて、くれたの?」
時の彼方の願いの通りに
でも、もうだめかもしれない
逃げて、あなただけでも
死なないで、あなただけは死なないで
体から鎖が離れていく
どこへいくの?
「・・・・・・や、めて」
止めて、いかないで
私だけにして
鎖はシャムシェルの方へとまっすぐに伸びていく
「お願い・・・・」
もはや流れる涙もないほどに叫ぶ
「アダム様・・・・・・」
いつも最後に助けてくれる名を呼ぶ
遠くなる意識
シャムシェルの波動が弱くなるのを感じる
「・・・・あだ、む・・さ・・・」
闇が食われていく











「大丈夫」

―――我は見ている









「助けてあげるよ・・・・二人とも」

―――お前達の行く末を



















「これが、私の記憶です」
ルンはシンジと二人っきりで話をしている
なぜ、あんなにも力が弱かったのかシンジに聞かれたから
「神は、何を考えているんだろう?」
「わかりません、でも・・・・」
何かを思い出すように言葉を探る
「懐かしい、感じがしました・・・・とても、悲しそうな、それでいて・・・・どこか・・・そうですね、なにか、期待しているような・・・」
シンジはなにかを考えるように唇を噛む
「シンジ様・・・私達はどうしたらいいのでしょうか・・・」
ルンはすがるように言う
一度蝕まれた意識の恐怖を知っているだけに怖いのだ
「僕達を信じて」
シンジはそう言うとルンの髪をなでる
「・・・はい」
絶対的なシンジの言葉にうなずく









「リベラ」
ルンは水槽に浮かぶ半身の頬をガラス越しになでる
「きっと、大丈夫だね」
そういったら、水槽の中で、意識のないはずのリベラが笑った気がした










あとがき

レリエルの中で何が起きていたのかの暴露ですvv
こんなことが起きてました
本当は本編にいれるはずだったんですけどね・・・・
私がどうしても組み込めなくって外伝になってしまいました
神は何を考えているのかちゃんと決まってはいるんですけどね・・・
まだ内緒ですv
神の御意志はいつだってかわいい子供の幸せに向かっていますv
(うそつけ!)

 

 

 

 

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