自覚の無い人々

 

 

episode 1 自覚の無い悪魔

 

 

「マイセンマイセン!どこいってたの?僕ちゃんとお留守番してたよ!」

「あーえらいぞミハ・・・・・・・で、なんでシエラが此処で寝てるわけっていうか、何で膝枕?!」

「退屈だから呼んだら寝ちゃったんだよね、まったく本当に使えない人間だよ!マイセンとは大違いだ」

「いや、ミハ。 今夜中の3時だから、シエラ寝てて当然だから」

「マイセンは起きてるのに?」

「俺はいいの」

「マイセンはいいんだ、マイセンは特別なんだね!さすがマイセンだよ!」

「うんうん、俺はすごいんだぞー」

「うんうん、やっぱりマイセンはすごいよ」

「・・・・・・・・・」

「どうしたのマイセン?」

「いや、あのさ・・・・・・いつまでシエラ抱きかかえてるわけ?」

「え?」

「え?って・・・」

「だって人間って弱いから落っこちたら怪我するかもしれないし」

「は?」

「生意気だよね、僕に落っこちないように支えててなんていうんだよ!」

「へえ。 ってことは合意?合意なのか?」

「? 何のことかわかんないよマイセン」

「いや、いい・・・お邪魔みたいだから俺も寝るわ」

「そうなの?マイセン寝ちゃうの?」

「ああ・・・・・・ごゆっくり」

「うん、おやすみまいせん。 悪い夢を見てね」

「みたくねーよ」

 

 

 

「ミハが膝枕って・・・なんかすごいの見ちゃったかも」

 

 

 

 

 

episode 2 自覚の無い兄

 

 

「毎朝毎朝代わり映えの無い朝食ですね」

「〜〜〜〜〜っ!」

「もっとおいしくは作れないですか?まったく材料の無駄ですね」

「だったら食べなければいいじゃない!自分で作るなりしなさいよ!」

「なんで僕が作るんですか、あなたの数少ないとりえでしょう」

「数少なくて悪かったわね!」

「本当にどうしようもない妹を持って兄として情けない」

「〜〜〜〜っ!とりえの料理がまずくて悪かったわねぇ!!」

「誰もまずいなんていってないですよ。もっとおいしく作れないのかといっているんです」

「いってるわよ!」

「頭の悪い人ですね。ああ、もう時間ですね、明日はもっとおいしい朝食にしてくださいよ」

「とっとといってこい!!」

 

 

 

「・・・・・・でも、いつも完食してくれるし、失敗してもいつも残さず食べてくれるのよね」

 

 

 

 

 

episode 3 自覚の無い王子様

 

 

「シエラ」

「はい」

「今日廊下で兄上と話してたよね」

「ええ、マーシャルに用事があったそうですけどいなかったので言付けを預かったんです」

「ふ〜ん」

「どうかしたんですか?」

「いや、なんでもないよ。 ところで、昨日の夜携帯に出なかったけど何してたの?」

「えっと・・・・・・知り合いの家にいってました」

「へえ、知り合い」

「・・・ええ」

「そう」

「・・・・・・あの、エドワルド?」

「今日調理実習があったよね」

「そうですね」

「もちろん僕にくれるんだよね」

「え?」

「まさか他の誰かに上げるなんていわないよね」

「ほしいんですか?」

「うん、ほしい」

「手打ちうどんですよ?今日の調理実習」

「うん知ってるよ」

「・・・・・・食べたいんですか?」

「君が作るなら絶対においしいよね」

「わかりました」

「君が作るものを食べていいのは僕だけだよ」

「・・・えっと」

「ああ、君のご家族は特別に許してあげるけど他の人に食べさせたりしないでよね」

「はあ・・・」

 

 

 

「だからって、全部持って帰ることは無いと思うんです」

 

 

 

 

 

episode 4 自覚の無い妹

 

 

「・・・・・・・・はあ?」

「いや、だからさカーティスって未熟だとおもわない?」

「どこが?」

「だっていまだに彼女がいないし」

「必要ないじゃない」

「好きな女の一人も落とせないし」

「まだ本気じゃないんでしょ、だいたいアイリーンさんには婚約者がいるじゃない」

「暑いの苦手だし」

「猛暑が得意な人なんかそうそういないわよ」

「恋愛感情に疎いし」

「だからなによ」

「妹に優しくないし」

「もし優しかったら偽者よ」

「・・・・・・あのさシエラ」

「なによ」

「そんなにカーティスをかばうってことはやっぱりカーティスが好きなの?」

「はあ?なにキモチ悪いこと言ってるのよ」

 

 

 

「なら、カーティスと言い合いしたからって朝からフルコース作るのやめてほしいんだけどな」

 

 

 

 

 

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