「カヅキ?」

「ブラッド?」

 

永い眠りからさめたような感覚。

目の前にいたのは心配そうな顔となにかに憤慨したような顔のブラッド。

どうしてブラッドは私の手を握り締めているのだろう?

 

「ブラッド、泣きそうな顔をしていますよ?」

「君こそ、急に成長したようじゃないか」

「え?」

 

いわれて自分を見る。

ルデねーに抱かれた私の身体は確かに「成長」していた。

 

「あっ・・・ああっ・・・・ぃ、ひっ・・・やぁっ」

 

認めたとたんに体中が痙攣する。

認めたくない、成長なんてしてはいけない。

恐い。怖い。

震える身体をルデねーが必死に抱きしめる。

 

「大丈夫だよ、カヅキ。心配するでないよ」

『そう、コレは夢だから』

 

ナイトメアとルデねーの言葉が私を落ち着かせる。

 

「カヅキ」

 

ブラッドの手のぬくもりが私の心に染みていく。

あの人とは違う、暖かな手。

知らずに、涙がこぼれた。

揺らぐ視界にあの人が映った気がした。

 

 

 

 

 

 

あの人は幼子のよう求めてばかりいるくせに壊し方しか 知らない

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