最初見たときはただ純粋に面白そうだと思った。

余所者なんてめったに出会えない。

なのにコレで二人目だ。

自分は運がいいのかもしれない。

ただ、もう一人の余所者の少女は俺のこと気に入らないみたいだけど。

 

 

 

 

 

「はは、偶然だねアリス」

声をかければいやな顔をするアリスと、俺を観察しながら微笑む少女。

どこか自分に似てるかな?と思った。

なんとなくだけど。

「エース、こんなところで何してるの?」

「旅の途中だよ」

「また迷子なのね」

即答で返される。

ひどいな〜といいながら、アリスの横に居る少女をみる。

「そのこだれ?」

「カヅキっていうのよ・・・余所者の子」

アリスはいまだに余所者っていわれるのを嫌がってるみたいだ。

気にしなければいいのに。

まぁ、そんなうじうじしたところも好きだけどね。

一応、というように頭を下げるカヅキに笑みを深くする。

そして、向こうも微笑を深くした。

「はじめまして」

「よろしくね」

微笑を崩さないまま、何も言ってこない。

よろしくしたくはないってことかな?

面白そうな子供だよな。

アリスとは別の意味で迷っていてうじうじしてそうだ。

まぁ、アリスよりずっとこの世界になじみそうだけど。

なにせ彼女には血の匂いが染み付いている。

隠す気もないみたいだし、本当に面白いことが起きそうだ。

「ところで、城はこっちかな?」

「エース、そっちは違うと思うわ」

アリスに腕をとられる。

絶対こっちだと思ってたんだけど、おかしいな。

「迷子、の剣士?」

「ああ、違うよ。 俺は騎士だ」

「騎士」

微笑を浮かべたままつぶやく少女。

「主なき、迷い人」

「エースッ」

思わず無意識に剣を突きつけていた。

彼女が持っていた武器で防がなければ大怪我ではすまなかったかもしれないほどに、少し本気で。

「・・・・・・図星ですか」

「はは、君おもしろいね」

「褒めても何も出ませんよ」

笑いあう。

「主が居ないのは君だろう?」

「ええ、でもあなたと違って自覚があります」

微笑む少女、自分と似ている少女。

面白くなりそうだ、本当に。

「俺、君が好きになりそうだよ」

「私はあなたが嫌いになりそうです」

おろおろと自分たちをみるアリスをよそに笑いあう。

 

 

 

きみが此処にいてぼくが此処にいる

 

ブラウザのバックでお戻りください